2009-01-01から1年間の記事一覧

食べ方上手だった日本人

本は買わずに借りるという私は、他の所でもかなりケチ。 だから1ヶ月の食費9000円という節約生活の権威、魚柄仁之助さんは密かに尊敬していて、彼の本もわりと読んでいます。 でも、それは実用書の扱いで、今までここで取り上げることはありませんでし…

うらなり

ご存じ「坊ちゃん」のバリエーション。題名からお分かりのように、あの「うらなり君」、英語の古賀先生が主人公。 彼の目から見た「坊ちゃん」の事件と、その後のお話しです。時はあれから30年後、昭和9年の東京銀座。 「うらなり」こと古賀先生と、「山…

人形劇「三銃士」始まる

今日からNHKで久方ぶりの人形劇「三銃士」が始まるようです。 脚本が三谷幸喜さんということで、当たりか外れか差が大きそう。 対象が子ども中心だろうから、原作のダルタニアンの性格・行動の問題部分は当然パスして、彼は純粋な正義の熱血漢ということ…

耶馬台

題名からも分かるように、古代日本に想を取った連作。 あとがきによると、魏志倭人伝の卑弥呼を古事記・日本書紀に出てくる倭迹迹日百襲媛(やまとととびももそひめ; 作中では鳥飛女王)、その後継者、臺与(とよ)を同じく、豊鋤入媛(とよすきいりびめ)…

ハリー・ポッターと死の秘宝 ~ 予想の結果

「ハリー・ポッター」最終巻、ようやく読みました。 内容を予想したのは原作発売前で、「結果は1年ほど後」と書いたけど、翻訳が出るのが遅かったのもあって、2年経ってしまいました。 我ながら悠長~。 というわけで、ネタバレ御免で結果を検証させてもら…

始祖鳥記

「黄金旅風」を紹介した、飯島和一さんの前作。 時代は下がって、江戸は天明から文化にかけて(1785~1804)、手作りの凧で空を飛んだ男の物語。 主人公・幸吉は備前の国、児島八浜の生まれ。 海に親しみ、伊曽保物語を聞いて異国に憧れ、優れた資質…

鼓笛隊の襲来

前の「となり町戦争」では、あまり良く書かなかったのですが、ありふれた日常とあり得ない奇抜な設定の取り合わせは、やはり魅力があります。 本書は9編からなる短編集。 奇抜な着想や作者の資質は、長編より短編向きという感じです。 身も蓋もない言い方を…

インフルエンザ感染爆発 見えざる敵=ウイルスに挑む

子ども向けの本なのですが、新型インフルエンザ国内発症ということで、ノンフィクションに分類しておきます。 このシリーズは新感覚ノンフィクションと称して、写真や絵を多用して、視覚に訴えイメージを掴みやすくしているのが売りらしい。 本も薄く字も大…

黄金旅風

久々に書くのは、これまた久々に読んだ重厚な時代小説。 作者は昨年、島原の乱を題材にした「出星前夜」で大佛次郎賞を受賞。 受賞作を読みたいのですが、なかなか巡り会わず、その前日譚といってもいい本作を読んでみました。 といっても、二作に直接のつな…

高学歴ワーキングプア ー 「フリーター生産工場」としての大学院

いつの間にか「ワーキングプア」という言葉が定着しています。 朝から晩まで、毎日のように働いても生活にゆとりがない、いや、生活そのものが成り立たない。 それこそ昔なら考えられなかったことが、現代の日本社会を根底から揺さぶっています。 それでも、…

舞姫

このところ、あまり書きたい物(特にフィクション)に巡り会ってません。 または、今はまだ書けない、書く気になれないという物ばかり(http://blogs.yahoo.co.jp/myrte2005/19534115.html 参照)。 で、そういう時は、昔読んだ古典頼み。 その古典、近代日…

世界一あたたかい人生相談-幸せの人生レシピ

これまで紹介したような本ばかりでなく、料理・掃除などの家事、手工芸、園芸、芸術関係の趣味の本もいろいろ見ています。 でも、これらは読書というより全くの実用、つまり、本として読むのでなく、その中の1つ2つの記事を参考にするだけなので、今まで紹…

エーミールと探偵たち ~ ケストナー初の子ども向け作品

ケストナーが初めて書いた子どもの本。彼の子どもに寄せる期待と信頼が、この最初から強く出ています。エーミールはドイツの地方都市ノイシュタットに、お母さんと二人で暮らす少年。 実業学校の生徒で、美容師として働くお母さんのために家事を受け持ち、時…

「世にも不幸なできごと」シリーズ

終に昨年完結したシリーズもの。 外国の作品て、次の巻が出るまで結構間が空くのが多いんですよね。 翻訳に時間が掛かるということでなくて、原作自体が。 これもちょっと間が空いたことがあったと思う。 そうすると前どんな話だったか思い出せなかったり…。…

「ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本」とBFCシリーズ

数年前に話題になった物。 以前、小栗佐多里さんの英語学習体験記 で評価していたので、ちょっと読んでみました。 この本1冊で英語が分かるようになるということではなく、英語が分かるようになるためには、英語の本をたくさん読むのが一番、そのための手引…

三四郎

漱石先生の作品で3番目に取り上げるのは「三四郎」。 前に取り上げた「坊っちゃん」 はパロディーの多い作品ですが、その中に「坊ちゃん」とは逆の設定で「田舎から東京に出た学生(女子だったと思う)の活躍…」という物があったけど、それなら、この「三四…