「ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本」とBFCシリーズ

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数年前に話題になった物。

以前、小栗佐多里さんの英語学習体験記 で評価していたので、ちょっと読んでみました。

この本1冊で英語が分かるようになるということではなく、英語が分かるようになるためには、英語の本をたくさん読むのが一番、そのための手引きをします、というのがこの本のねらいのようです。 その点では、「世界一簡単」というのはどうかと思うけど、まあ、分かりやすく説明しています。
ただし、文法用語を使わず独自の方法で説明しようとしているため、学校英語を学習している最中、あるいはその記憶がまだ鮮明な人は、抵抗を感じたり混乱するかも知れません。
私のように、その記憶が薄れてしまった者には良い様ですが。

本をたくさん読むというのは、案外、英語学習の盲点かも知れません。
小栗さんの本のところで書いたように、英語を勉強してどうするのか、ということが日本人にはネックなんですけど(つまり勉強しても使う機会がないんですね)、趣味で本やネットを見るために勉強するのも有りかな、と思えてきました。 以前は、そういうの無意味な気がしていたのですが。

この本を読んで思い出したのが高校時代の英語の先生。
その先生の主張がこの本と全く同じだったんです。
「日本語に訳さなくて良い、内容を理解しろ」と言い続けていました。
でも、その先生の授業で成果が上がらなかったのは、私たちに「内容を日本語で説明する=和訳」という思い込みがあったのと、教材の英語が難しすぎた(一行に分からない単語がいくつもあり、どれが主語で述語かさえも分からなかった)こと、先生が迫力あり過ぎて怖かったからだと思います。
当時も、その先生の主張が正しいことは、頭では分かっていたのですが。

では、どんな本を読めばいいのか?
ということで書かれているのが続編のBFCシリーズ。
「世界一簡単な英語の本」の例文に登場する、パイ職人EdとBig Fat Catを主人公にした絵物語です。
お人好しのパイ屋のEdと大食らいでふてぶてしい猫の他愛ない日常の攻防戦と思いきや、意外にも劇的な展開になり、一人と一匹の行く末とEdの成長ぶりに、結構はまってしまいました。

勢いでオバマ大統領の就任演説まで読んじゃいました。 

そこで思うのは、BFCシリーズで分からない言葉があっても無視して読めたのは、イラストのおかげが大きいということ。 絵でだいたいの内容が分かるので、分からない言葉が有っても無視できるんですね。
実はストーリーが気になって解説はあまり読んでないのですが、本編以外のショートストーリーその他も読んでみるとBFCの世界が深まる感じで、なかなか良くできていると思います。

今、小学校から英語の授業とか、英語の時間は英語のみでとか議論されていますが、かなり無理があるように思います。
それよりも、このシリーズのように挿絵を多用し、興味が持てるように内容を練り上げて、簡単なものから次第にレベルアップする教材を開発した方が良いと思います。


ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本」  向山淳子、向山貴彦著 たかしまてつお絵
「BFCシリーズ 全7冊」  向山貴彦作  たかしまてつお絵 (幻冬舎