2022-01-01から1年間の記事一覧

あるべきやうわ

ことしの大河ドラマ「鎌倉殿の13人」、ちょっと期待していた明恵上人の登場は無くて残念でした。 でもEテレの「知恵泉」の北条泰時の回では、明恵上人との関りをわリと詳しく取り上げていました。 番組では明恵が御成敗(貞永)式目に直接影響を与えたかは…

「交通誘導員ヨレヨレ日記」他お仕事日記シリーズ

時々、新聞広告で見かける情けない漫画の表紙絵のお仕事日記シリーズ。 第1弾の「交通誘導員ー」から何冊か読んだ分の感想をまとめておきます。 今まで読んでいるのは他に派遣添乗員、マンション管理員、メーター検針員です。 このシリーズが当たったのは、…

翼ある歴史 図書館島異聞

架空世界、オロンドリア帝国を舞台にしたファンタジーの続編。前作の最後に少し触れられている王子の戦争の顛末が、前後の背景も含めて4人の女性を主人公に四巻の歴史として語られます。 巻の一 剣の歴史はアンダスヤ(ダスヤ)王子の従妹である女性軍人の…

図書館島

オロンドリア帝国という架空世界が舞台のファンタジー。 そこはテルカンと称される王に支配される広大な帝国で、構成する地域はそれぞれに独自の文化や言語を持っています。 主人公ジェヴィックは紅茶諸島という辺境の南の島生まれ。 描写される自然や風俗は…

エーリッヒ・ケストナー こわれた時代

とくに作家で読むことはあまりしない私ですが、エーリッヒ・ケストナーは数少ない例外の好きな作家のひとり。 といっても今まで読んでいるのは主に子ども向けの作品で、伝記や評伝も読んだことが有りません。 子どもの味方ケストナーおじさんのイメージがぐ…

通い猫アルフィーのはつ恋

通い猫アルフィーシリーズの2作目。1作目ではアルフィーの活躍で飼い主たちはみな仲良くなり、クレアとジョナサンは結婚して、ジョナサンの家がアルフィーの本宅になっています。 ポーランド人一家は自分のレストランを持ってエドガーロードを離れたけれど、…

通い猫アルフィーの奇跡

猫が好きなので読み始めたシリーズの第1作。 ロンドンで老婦人マーガレットや先輩猫アグネスと幸せに暮らしていたオス猫アルフィーは、アグネスに続いて大切な飼い主マーガレットまで失い、寄る辺ない身の上に。ただ一人の飼い主に運命を託す危険を知ったア…

魔術師ペンリックの使命

L.M.ビジョルド五神教シリーズの新作ペンリック物の続編。 前作「魔術師ペンリック」最終話から数年後、主人公ペンリックは30歳になってアドリア大神官の魔術師になっています。 前作の舞台ウィールドがドイツにあたるとすると、アドリアはイタリアらしい。 …

「鎌倉殿」に明恵上人は登場するか?

本年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」、それなりに面白く見ています。 私の個人的興味の1つは、以前取り上げた「明恵 夢を生きる」(河合隼雄著) https://myrtex.hatenablog.com/entry/25361975 の明恵上人がドラマに登場するかという事。 明恵が出てき…

魔術師ペンリック

L.M.ビジョルド五神教シリーズの新作。 実は本作を一番最初に読みました。 舞台は3作目「影の王国」と同じウィールドだけど、時代はだいぶ後のようです。 そして主人公ペンリック・キン・ジュラルドはウィールド人ではなく隣接する連州出身。連州は「影の王…

影の王国

L.M.ビジョルド五神教シリーズの3作目。 場所も年代も前2作とは全く異なる森の国ウィールド。 400年前、五神教国ダルサカのアウダル大王に征服され、その150年後に復活した、13人の選帝侯に選ばれた聖王が統治する国です。 古代ウィル-ドでは氏族…

ブート・バザールの少年探偵

最初に断っておきますが、本書は題名から想像する推理物ではありません。 一応そういう体裁になっているし、インドのスラムに住む主人公の少年とその友人は、探偵活動を繰り広げるのですが、子どもならではの視点で真相に迫ったり、偶然に導かれて鮮やかに事…

影の棲む城

L・M・ビジョルドの五神教シリーズ2作目。 前作の3年後、イセーレ国姫の母イスタ国太后が本作の主人公です。 前作で影の呪詛により弟と異母兄である国主が命を落とし、イセーレが国主に、カザリルは宰相になっています。 母である藩太后も亡くなって実家の…

チャリオンの影

作者ロイス・マクマスター・ビジョルドのことは全く知りませんでしたが、1980年代にSFでデビューし、2000年代からはファンタジーも書き始めたようです。 その五神教シリーズの比較的新しいものを読んで興味を持ったので、第1作から読み直してみました。 舞…