ファンタジー

闇の左手

以前から「ゲド戦記」について書きたいと思いながら、なかなか取りかかれないでいます。 私は作家じゃなくて作品で読む方なので同じ作家のものでも好き嫌いがあるし、極端な話、同じシリーズの続編にがっかりさせられることもあります(最近多いんですよね)…

獣の奏者 Ⅲ・Ⅳ

以前紹介したファンタジーに続編が出ていました。 続編があるのなら、前に批判した点は取り消さなければと思ったのですが、完結編の後書きによると、「…〈闘蛇編〉〈王獣編〉で完結した物語でした。」と有ります。 それが佐藤多佳子さんという作家が、「もっ…

「床下の小人たち」シリーズ

前々から紹介したいと思っていたシリーズですが、この夏ジブリのアニメが公開予定で、違うイメージで定着してしまうと書き難くなるので…(それで書きそびれた物、かなりあります)。鉛筆よりも小さいけれど人間そのままの小人たちが、人間の家に住み着いて借…

ハリー・ポッターと死の秘宝 ~ 予想の結果

「ハリー・ポッター」最終巻、ようやく読みました。 内容を予想したのは原作発売前で、「結果は1年ほど後」と書いたけど、翻訳が出るのが遅かったのもあって、2年経ってしまいました。 我ながら悠長~。 というわけで、ネタバレ御免で結果を検証させてもら…

龍使いのキアス

作者は中央アジアを舞台にした伝奇歴史シリーズを書いていますが、これは独立したファンタジー。 舞台もちょっとアジア風だけど、無国籍な架空のロール世界。 様々な文化と宗教を持つ民族が住むアギオン帝国は、およそ350年前、侵略者を退けた神皇帝アグ…

ピーターと影泥棒

以前紹介したピーターパンの前日譚「ピーターと星の守護団」 http://blogs.yahoo.co.jp/myrte2005/27475746.html の続編。 「流星砂」の力で空飛ぶ永遠の少年となったピーターは、ネバーランドとなった島で、これもフック船長となった海賊黒ひげとおなじみの…

グリフィンの年

以前紹介した「ダークホルムの闇の君」の続編に当たる魔法ファンタジー。 http://blogs.yahoo.co.jp/myrte2005/18714342.html 前作から8年。 チェズニー巡礼観光会からは解放されたものの、魔法世界はまだ復興途上。 本当に戦争状態になってしまった国々も…

影の王

作者スーザン・クーパーはシリーズ物の児童ファンタジーで知られていますが、これは独立した作品。 タイムスリップ物です。 主人公ナット(ネイサン)・フィールドはアメリカの少年劇団の俳優。 シェイクスピア時代から400年ぶりに再建されたグローブ座で…

デルトラクエスト ~ デルトラの伝説

前に紹介した「デルトラクエスト」シリーズの番外編。 http://blogs.yahoo.co.jp/myrte2005/25854401.html 本編で部分的に触れられる「デルトラ年鑑」記載の伝説や、「デルトラのベルト」の作成者である初代国王アディンの冒険と業績を、王室図書館員ジョセ…

守人シリーズ 2 ー 天と地の守人

守人シリーズ最終作「天と地の守人」は3部構成になっています。 前作「蒼路の旅人」の最後で、タルシュ帝国の侵略の道具として祖国に送り返される途中、その運命を逃れ活路を開くべく、海に飛び込んだチャグム。 帝国や北の国々では死んだと伝えられていま…

「守人」シリーズ 1

10年にわたって書き継がれ、昨年完結した人気ファンタジーシリーズ。 どこかアジア的な雰囲気の国々を舞台に、人間の世界と異界ナユグ(国によって呼び方が違う)が隣り合って存在し、時に交錯する独創的なファンタジーです。 第1作「精霊の守人」は、精…

ピーターと星の守護団

表紙を見てなんだかピーター・パンぽいと思ったら、その通り、ピーター・パンの前日譚だそうです。 え? それってJ・M・バリーの原作があったじゃない? と思うのですが、こちらも読んでみるとそれなりに面白い。 いわば、ディズニー版ピーター・パンの前…

獣の奏者

「守人」シリーズで売り出した作者の新作。 「守人」シリーズは異界と隣り合わせにあるアジア的な世界を舞台にしていて、西洋の物まねでない独創性の高いファンタジーで私も好きなのですが、まだ完結編を読んでいないので、こちらが先になってしまいました。…

デルトラ・クエスト

子ども達に人気のシリーズ。 ファンタジーより子どもの本、という見方もあるかも知れません。 1冊が薄く、大人が手に取るにはちょっと気恥ずかしい派手な表紙。 クイズをちりばめた内容もいかにも子ども向きで、「指輪物語」や「ハリーポッター」の読者には…

海駆ける騎士の伝説

日本でもおなじみのダイアナ・ウィン・ジョーンズのデビュー前の作品。 そう思ってみると、ジョーンズらしいオモチャ箱をひっくり返したような賑やかさはなく、いわば普通のファンタジーですが、習作とは思えない完成度です。 後書きによると6つの連作の最…

ダークホルムの闇の君

アニメ「ハウルの動く城」の原作者として、日本でもよく知られるようになったダイアナ・ウィン・ジョーンズの長編。 ジョーンズの物を読んだ方はおわかりのように、設定がわかりにくく理屈っぽく感じる物もありますが、この作は比較的わかりやすく楽しめるで…

はてしない物語 ~ ファンタジー、つい夢中になるけれど

ファンタジー好きです。 読書の楽しみは、知らなかったことを知ること、日常出来ないことを体験する(あたかも体験したように感じる)こと、別の世界をかいま見ること。 それならファンタジ-が一番。 でも困るのは、その世界に入り込んでしまって日常に戻れ…