ピーターと影泥棒

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以前紹介したピーターパンの前日譚「ピーターと星の守護団」 http://blogs.yahoo.co.jp/myrte2005/27475746.html の続編。

「流星砂」の力で空飛ぶ永遠の少年となったピーターは、ネバーランドとなった島で、これもフック船長となった海賊黒ひげとおなじみの追っかけっこをしています。
ところが、前作でピーター達に散々にやっつけられた敵の一味、ネバーランド号の元副船長スランクが、不気味な助っ人オンブラと共に乗り込んできます。 「流星砂」を取り戻そうとするのです。
しかし、「流星砂」はモリーの父親ら「星の守護団」がイギリスに持ち帰っていました。 
それを知ってイギリスに向かうスランクとオンブラ達。
モリーが危ない!」 ピーターも彼らを追ってイギリスへ。

前作では「守護団」は「流星砂」を宇宙に返すことが知られていましたが、本作でその儀式「リターン」が行われます。
モリーの父がその為に留守にしている時、モリー母子に迫る敵の魔の手。
危うい所で間に合ったピーターが、何とかモリーだけは救出します。
けれど、ピーターには別の気がかりが。 それはモリーの幼なじみ、ジョージ・ダーリングの存在。 名門校に通う紳士の卵の秀才少年です。
やむを得ず彼に救いを求めたものの、反目するピーターとジョージ。 しかし、お互い自分に無い相手の長所に気づき、協力してモリーの父がいる「リターン」の場所に向かいます。
敵側も同じ場所を目指していました。
やがて訪れる「リターン」の刻。

原作者J・M・バリー氏が登場するサービスもあって、それなりに楽しめますが、この出会いで「ピーター・パンとウェンディ」は書けるかも知れないけど、「ケンジントン公園のピーター・パン」は無理な気がしますが。
けれど、ピーターは歳を取らないけれど、久しぶりに会ったモリーは成長している。 そのあたりに原作に通じるピーターの悲哀をうかがわせます。



「ピーターと影泥棒」 デイヴ・バリー、リドリー・ピアスン作 海後礼子訳(主婦の友社